SeizoMind Traは製造実績データ管理用のパッケージです。製番発行や製造実績データの集積を行います。製番やマスタデータを製造実績や設備からの信号、動画像等と紐づけて、サプライチェーンの上流から下流までのデータをシームレスに統合します。
製造業の経営や業務には製造に関するデータの活用が欠かせません。製造実績データを効果的に活用することで、製造管理業務の効率化や製品設計、工程、在庫管理の改善、経営における意思決定の質向上が期待できます。
製造実績データには、オーダーやロット毎に発行される製造管理番号や、製造指図、作業の記録、設備の信号、センサー情報等があります。それぞれのデータは収集されるタイミングや場所が異なるため、適切な方法で紐付けて収集する必要があります。製造実績データの紐付けには管理方式によって異なる方法が用いられます。受注毎に管理を実施する製番管理方式では製番が用いられ、受注毎に必要な部品の調達、製造を行います。MRPによる総量管理を行う方式では品番が用いられ、生産計画に基づいた必要量の調達、製造を行います。製番や品番で不十分な場合には、日時や場所、設備番号等と組み合わせて保管することでデータのトレーサビリティーを担保します。製造実績データを適切に管理するためには、データの種類毎にキーとなる情報を特定しデータと共に保管しておかなければなりません。
IT業界を中心に、自社のデータ基盤を構築しデータ活用を推進する取り組みが一般的になってきました。製造業でも製造データを収集しデータ基盤に集積する企業が増えてきています。データ基盤にはデータレイクやデータウェアハウス(DWH)といった設計パターンがあり、目的や用途に応じて組み合わせて使います。データは生データをそのまま収集する場合もありますが、多くの場合ではサンプリングやETL/ELTツールを用いたデータ変換を行ったうえでデータを保管します。データ基盤を効果的に構築するためには、データの保管方法や保管するデータの仕様を適切に設計、管理する必要があります。
製造実績データ基盤における主な課題として以下が挙げられます。
SeizoMind Traには各課題を克服するために必要な機能が実装されています。SeizoMind Traを導入することで、製造実績データ管理における諸課題を解決し、企業における製造やサプライチェーンを革新することができます。
製造実績データを収集する際には、合わせて取得すべきデータをあらかじめ考慮しておく必要があります。直接関連のあるマスタデータや製造作業のレコードだけでなく、作業中の設備の稼働状況や作業場所における環境情報等を取得することもあります。戦略的にデータ収集を行うことで効果的にデータ基盤を構築する必要があります。
必要なデータを漏れなく考慮し適切に関連づけておくのは容易ではありません。マスタデータとの紐付けをIDだけで済ませてしまうと、マスタデータの変更等によるデータの不整合により正しい分析ができない可能性があります。同じ設備に複数の製造が行われる場合、作業計画や設備への投入状況と合わせてデータ収集を行わなければ、特定の製番のデータを抽出できないことがあります。外部システムと連携する場合は、データ形式の取り決めやインタフェースの設計が必要になります。
SeizoMind Traは必要なデータを収集するための構成を適切に構築するための機能を揃えています。製番管理機能を利用すると、元となるマスタデータのスナップショットを対応する製番の実績データと紐づけて保管することができます。製造に利用した設備の情報の紐付けでは、SeizoMind Masに登録したBOM、BOP、作業区の情報を活用します。外部システムやデータスペースとの連携ではユーザーからの要望に応じてインタフェースを実装して公開します。SeizoMind CFPと連携すると、GHG排出量データのサプライチェーン間共有のためのデータスペースへの連携が簡単に行えます。
製造実績データには画像や動画、音声等のオブジェクトデータが関連づけられることがあります。テキストや信号データでは表現できない情報が含まれており、製造データ活用レベルを高めていくために欠かせないデータです。オブジェクトデータはテキストや信号に比べてサイズが大きくデータ形式もバラバラで、正しく活用するためには保管方法に工夫が必要になります。
オブジェクトデータを収集、活用するためには、ストリームやコンテンツ配信の仕組みを含めたI/Oインタフェースが必要になります。様々なデータ形式に対応したI/Oインタフェースを構築するのは容易ではなく、収集したデータを眠らせたまま放置してしまうこともよくあります。また、データを活用には検索機能が欠かせませんが、オブジェクトデータの検索システムは非常に複雑で、高コストにも関わらず低性能の検索機能しか実現できない可能性もあります。
SeizoMind Traはさまざまな種類のオブジェクトデータの収集機能が実装されており、すぐにデータ収集を開始できます。主要なメディアのストリームやコンテンツ配信の仕組みが用意されており、動画、画像、音声をすぐに活用することができます。メタデータはもちろん、データの中身についてもインデックス化することでオブジェクトデータの検索性を高める機能が用意されています。SeizoMind Ageと組み合わせることでナレッジ活用にも応用できます。
製造実績データ基盤は製造データ活用を進めていくうえで欠かせないものであり、うまく構築できればDXによる経営革新の成功確率を格段に高められます。適切な戦略、設計に基づき効果的にデータを 収集し、製造実績データと相性の良いシステムに保管することが必要です。SeizoMind Traは製造実績データ専用のデータ基盤であり、製造データ活用を推進する企業に最適なソリューションです。
本記事で紹介したように、SeizoMind Traを導入することで以下のような効果が期待できます。
製造実績データ管理や関連業務に課題をお持ちの場合は、ぜひ弊社のSeizoMindを活用したソリューションをご検討ください。詳しいご紹介やお見積り、ご相談はウェブサイトの問い合わせよりご連絡ください。